ドレッドヘアの作り方完全解説!セルフ手順とかぎ針・手入れの極意
ストリートカルチャーやブラックミュージックシーンをはじめ、独自の存在感と自己表現の象徴として根強い支持を集めるドレッドロックス。美容室での専門施術だけでなく、近年は自宅で自作する「セルフドレッド」に挑戦する人が増えています。しかし、髪の毛同士を強固に絡め合わせる特殊な構造ゆえに、正しい工程や手入れの知識を持たずに始めると、頭皮トラブルや激しい絡まりによる断髪といったトラブルに見舞われるケースも少なくありません。
仕上がりの美しさと頭皮の健康を両立させるには、自毛の長さの選定、逆毛を立てるバックコーミング、極細のかぎ針(クロシェフック)を用いた緻密な編み込み、そしてベースとなるパーマの選定が欠かせません。セルフでの具体的な作り方からサロン施術の相場、日々の洗髪・メンテナンス、さらには元に戻す際のほどき方まで、ドレッドヘアの全容を余すところなく紐解いていきます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:セルフ作成の王道は「バックコーミング+かぎ針」であり、ベースにアフロパーマをかけると劇的に耐久性と完成度が向上する。
- 要点2:施術に必要な自毛の長さは最低10cm〜15cm以上で、完成時は絡まりによって元の長さの約30〜40%短縮する。
- 要点3:日々の手入れでは「ノンシリコン・無添加石鹸による頭皮洗浄」と「生乾きを防ぐ完全乾燥」が清潔維持の絶対条件となる。
【ドレッドヘアの種類と特徴】理想の質感を見極める基礎知識
一口にドレッドヘアと言っても、束の太さや毛先の処理、形成方法によって仕上がりの表情は大きく異なります。まずは代表的なスタイルごとの特性を把握し、自分が目指す方向性を明確にすることが失敗を防ぐ第一歩です。
最もスタンダードな「ナチュラルドレッド(本ドレッド)」は、自毛を細かくブロッキングし、逆毛を立ててかぎ針で固めていく手法です。年月が経つほどに自毛同士が結束し、独特の重厚感と自然な風合いが増していくのが最大の魅力と言えます。これに対し、束感をあえて細くシャープに仕上げる「ツイストドレッド」は、針金や指を使って毛束を強く捻りながら固定するスタイルで、比較的短髪からでも挑戦しやすく、ストリートファッションとの親和性が抜群です。
さらに、事前に細かいパーマをあてる「アフロパーマ土台のドレッド」は、毛髪表面のキューティクルが毛羽立ち、劇的に絡まりやすくなるため、サロンワークでも最も推奨される手法となっています。ストレートヘアから無理に編み込むよりも解けにくく、均一で美しい束感を長期間維持できます。

【準備編】ドレッドヘアに必要な長さとセルフで作る前の前提条件
セルフでドレッドヘアを作る際、最初につまずきやすいのが「髪の長さ」の計算です。ドレッドは毛髪を複雑に折りたたみ、密に絡ませていく構造上、完成時の長さは施術前と比べて30〜40%程度短縮します。
ショートのドレッドを目指す場合でも、自毛の長さは最低でも10cm〜15cmが必要です。肩にかかる程度のミディアムレングスに仕上げたい場合は、施術前に20cm〜25cm以上の長さを確保しておく必要があります。長さが不足している状態で無理に編み込もうとすると、根本から毛先が飛び出し、数日で束が崩壊する原因になります。
また、セルフ施術を成功させるためには、事前の道具準備が欠かせません。
- 極細かぎ針(レース針 0.5mm〜0.75mm):飛び出た遊び毛を束の芯へ引き込むための必須ツール。
- 密歯のメタルコーム(逆毛用):プラスチック製は折れやすいため、頑丈な金属製コームが推奨されます。
- シリコンゴム&ダッカール:頭皮を正確に小分け(ブロッキング)するための固定具。
- ドレッド専用ワックスまたは無添加ジェル(必要に応じて):初期の毛羽立ちを抑え、結束を促進させます。
【実践】セルフで作るドレッドヘアのやり方|バックコーミングとかぎ針の完全手順
セルフでドレッドヘアを美しく完成させるためのスタンダードな技法が、バックコーミング法(Backcombing)とクロシェ(かぎ針)法を組み合わせた手順です。一人で行う場合は後頭部の確認が難しいため、三面鏡を用意し、数日間に分けて進める根気が求められます。
ステップ1:正確なブロッキング
髪を完全に脱脂シャンプーで洗い、油分を落として乾燥させた後、頭皮を1.5cm〜2cm四方の正方形または三角形に細かくブロッキングします。このベースの均一さが、最終的な束の太さと耐久性を決定づけます。
ステップ2:徹底的なバックコーミング
小分けにした毛束を持ち、毛先から根元に向かってメタルコームで何度も強く逆毛を立てていきます。根元に固い毛玉の芯(コア)を作るイメージで、毛束全体がフェルト状に膨らむまでしっかりと押し込みます。
ステップ3:パームローリングによる整音
逆毛を立てた束を両手の手のひらで挟み、強く擦り合わせるように転がします(パームローリング)。これにより、フェルト状になった毛束が円筒形に引き締まります。
ステップ4:かぎ針による編み込み(クロシェフック)
0.5mm〜0.75mmの極細かぎ針を束の中心に刺し、表面から飛び出ている細い毛を引っ掛けて内部へ引き込みます。針を小刻みに出し入れしながら、束を回転させて全方向から毛を芯へと押し込んでいきます。この作業を繰り返すことで、緩みのない強固なドレッドロックスが完成します。
【比較】セルフvs美容室の値段相場と仕上がり・手間の検証
ドレッドヘアをセルフで仕上げるか、専門のブラックヘアサロンに依頼するかは、予算と拘束時間、そして仕上がりの耐久性を天秤にかけて判断する必要があります。
| 項目 | セルフ施術(自作) | 専門美容室(プロ施術) | 編集部の見解・評価 |
|---|---|---|---|
| 初期費用相場 | 約3,000円〜8,000円 (針・コーム・溶剤代) | 約40,000円〜90,000円 (パーマ+編み込み代) | セルフは圧倒的低コストだがサロンは技術と持続力に直結 |
| 所要時間 | 15時間〜30時間 (数日に分けるのが一般的) | 4時間〜8時間 (スタイリスト2名体制など) | セルフは後頭部の作業負荷が非常に高く強靭な根気が必要 |
| 根元の均一性・強度 | ムラが出やすく初期に解けやすい | 極めて強固で均一な美しい仕上がり | 長期間(半年以上)維持するならサロン施工が圧倒的有利 |
| 頭皮トラブルのリスク | 引っ張りムラによる牽引性脱毛に注意 | 頭皮の毛流れを計算し負荷を分散 | 頭皮トラブルを最小限に抑えるプロの技術料が含まれる |
【実態検証】ドレッドヘアの洗い方と日々の手入れ・メンテナンス頻度
ネット上では「ドレッドヘアは洗えない」「不潔になりやすい」という噂が散見されますが、これは明確な誤解です。実際には、清潔な頭皮環境を保ち、不要な皮脂や汚れを落とすことこそが、健康的なドレッドを維持するための絶対条件となります。
ただし、一般的なヘアスタイルと同じようにゴシゴシと毛先を擦り洗いすることは厳禁です。泡立てたシャンプーを頭皮に優しく押し当て、指の腹で頭皮をマッサージするように洗うのが鉄則です。
正しい洗髪と手入れの3大ルール:
- 残留成分のないシャンプーを選ぶ:シリコンや保湿オイルが多量に含まれるシャンプーは、ドレッドの芯に残留してカビや異臭の原因になります。固形無添加石鹸や専用のレジデュフリーシャンプーが適しています。
- 徹底的な完全乾燥:内部まで水分を含んだドレッドは極めて乾きにくく、生乾き放置は悪臭や雑菌繁殖の温床となります。タオルドライ後、ドライヤーの温風と冷風を使い分け、芯まで100%乾燥させることが極めて重要です。
- 定期的なメンテナンス頻度:自毛が伸びるにつれて根元が緩んでくるため、1ヶ月〜1.5ヶ月に1回のペースで根元のリペア(伸びた毛をかぎ針で編み込む作業)を行います。

【盲点と誤解】ほどき方・落とし方の真実と失敗しないコツ
「ドレッドヘアを辞めるときは坊主にするしかない」と思い込んでいる方が多く見られますが、適切な手順を踏めば、ある程度の長さを残してほどく(落とす)ことは十分に可能です。
ドレッドヘアのほどき方の手順:
大量のコンディショナーやヘアオイルをドレッドの束に擦り込み、毛髪の滑りを極限まで高めます。その後、千枚通しやつまようじ、頑丈な金属コームの柄を毛先に差し込み、毛先から根元に向かって1ミリずつ絡まりをほぐしていきます。1本の束をほどくのに30分〜1時間以上を要し、相当な抜け毛(自然脱毛して束内に溜まっていた毛)が出ますが、丸刈りを回避してショートヘアへ移行することができます。
セルフ作成で失敗しないための最大のコツは、「初期の緩みを恐れてワックスを過剰に塗りすぎないこと」と「ブロッキングのラインを崩さないこと」です。過度な油脂は毛髪同士の自然な摩擦結合(ロッキング)を阻害するため、かぎ針の物理的な引き込みによって芯を硬化させる手法が最も長持ちします。
【プロの結論】ドレッドヘアが向いている人・慎重になるべき人の判断基準
ドレッドヘアは単なる髪型にとどまらず、ライフスタイルそのものに影響を与える特殊なカルチャーヘアです。施術後に後悔しないために、自身の生活環境と照らし合わせた客観的な判断が求められます。
【ドレッドヘアに向いている人の条件】
- 定期的な根元リペアやかぎ針を使った緻密なケアをルーティンとして楽しめる人
- ストリートカルチャー、レゲエ、ヒップホップなどの独自の世界観を体現したい人
- 日々のドライヤー乾燥(30分〜1時間)を欠かさず継続できる自己管理能力がある人
【施術を慎重に検討・見合わせるべき人の条件】
- 職場のドレスコードや就職活動で厳格な身だしなみ基準が求められる環境にいる人
- 慢性的な脂漏性皮膚炎や頭皮の痒み、フケ症状に日常的に悩まされている人
- 「手入れが不要で楽そうだから」という理由だけでドレッドを検討している人
【ドレッド ヘア やり方】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:直毛の日本人でもパーマなしでドレッドヘアは作れますか?
A1:ストレートヘアのままでもバックコーミングとかぎ針を用いれば作成可能です。ただし、パーマをかけた髪に比べて絡まりにくく、初期段階で束が解けやすいため、毎日のパームローリングとかぎ針での小まめな補修が必須となります。完成度と持続性を最優先にする場合は、事前にツイストパーマやアフロパーマをかけることを強く推奨します。
Q2:セルフで施術する場合、どのくらいの日数がかかりますか?
A2:全頭を一人で仕上げる場合、作業時間は累計で15時間〜30時間程度に及びます。集中力と腕の疲労を考慮し、1日あたり頭頂部、サイド、バックなどエリアを分け、3〜4日かけて段階的に完成させるアプローチが現実的です。
Q3:ドレッドヘアにすると特有の匂いが出ると聞きましたが防げますか?
A3:匂いの主原因は「シャンプーのすすぎ残し」と「不完全乾燥による雑菌・カビの繁殖」です。界面活性剤の残りにくいノンシリコン・無添加石鹸で頭皮を中心に洗浄し、ドライヤーで芯まで完全に乾かす習慣を徹底していれば、不快な匂いが発生することは一切ありません。
まとめ:理想のドレッドヘアを手に入れるためのロードマップ
ドレッドヘアは、時間をかけて自毛を育て、編み込みを重ねるごとに風合いと愛着が増していく唯一無二のヘアスタイルです。セルフで挑戦する場合も、サロンでプロに依頼する場合も、成功の鍵を握るのは「正確なブロッキング」「芯のある強固な編み込み」、そして「洗髪後の完全乾燥と定期的なメンテナンス」にあります。
髪の長さや頭皮環境を客観的に見極め、日々の手入れプロセスまで受け入れる準備が整ったとき、自分だけの個性を宿した最高のドレッドロックスが完成します。正しい手順と道具を揃え、本格的なヘアスタイル作りの一歩を踏み出してください。 (出典: ドレッド ヘア やり方(Yahoo!ニュース))